「言った!」「聞いてない!!」コミュニケーションミスをなくす「仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方」(宇都出雅巳著)

 

今回ご紹介するのは、勉強法に関してたくさんの著書がある宇都出雅巳さんの本「仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方」
本書では、「仕事のミス」が起こる原因を、脳の仕組みから明らかにし、その対策を紹介しています。

著者は、仕事のミスを以下の4つに分類し、それぞれのミスが起こるメカニズムを解明。ミスを防ぐための基本対策を解説しています。

  ①メモリーミス(忘れた!)
  ②アテンションミス(見落とした!)
  ③コミュニケーションミス(伝わっていない! 聞いていない!)
  ④ジャッジメントミス(判断を間違えた!)

今日はこの中で、「③コミュニケーションミス(伝わっていない! 聞いていない!)」について少しご紹介しましょう。
うちの職場でもよくあるんです。

こちらは伝えたつもりでも伝わってなかったり、

「言った」、「聞いてない」でよくトラブルになることがね。

 

 

「仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方」(宇都出雅巳著)

 

 

コミュニケーションミスが起きる原因は?

 

私の職場でもそうですが、多くの仕事はコミュニケーションを必要としますよね。
最近では、対面でのリアルタイムのやり取りが減って、メールやSNSなどでの文書でのやり取りが増えるようになり、余計にコミュニケーションによるミスが増えてきたような感じるのは私だけではないでしょう。

著者は、コミュニケーションミスは、「きちんと伝える」「きちんと聞く」といった「心構え」で改善できるものではなく、きちんと伝えてもその通りには伝わらないし、きちんと聞いても正確には聞けないということが、脳科学や認知科学で明らかになっているといいます。

 

伝えても伝わってない?、ちゃんと聞いても聞いてない??

 

下の図は、話し手が、「昨日、渋谷で友人とお酒を飲んだ」と聞き手に言った場合です。

 

 

「昨日」と言っても朝なのか昼なのか夜なのかわかりませんよね。
「渋谷」と言っただけで、場所の詳細は伝えてませんし、お店なのか宅飲みなのかも伝えていません。

でも、普段、私たちは「何が省略されているか」ということをわざわざ意識しなくても、コミュニケーションは成立しています。

気になれば質問するでしょうが、「ここが省略されているな」ということは認識していないのが普通。

どうして聞き手は、こうした情報が省略されていても聞くことができるのか?

図の右側を見るとわかりますね。

話し手の言葉に、聞き手の持っている記憶が反応して、省略されている部分を自動的に補っているからです。

「昨日、渋谷で友人とお酒を飲んだ」と聞くと、自分の記憶にある渋谷のイメージ、以前行ったことのある渋谷の飲み屋のイメージなどが湧いて、理解した気になってしまう。

でも、話し手の「昨日、渋谷で友人とお酒を飲んだ」風景と、聞き手が想像した「昨日、渋谷で友人とお酒を飲んだ」風景は、この時点では違うのです。

聞き手は、「理解した気になっているだけ」なんです。

当たり前ですよね(笑)
お互いがこれまで蓄積してきた「記憶」が違うのですから。

皆さんは、普段のコミュニケーションの中で、こうした話し手と聞き手の思い浮かべるイメージの違いを意識していますか?

ここにコミュニケーションですれ違いやミスが起きる最大の原因があるのだと宇都出さんは指摘しています。

普段のコミュニケーションでは、聞き手は自分の記憶を頼りにして相手の言葉の省略されている部分を補完し、解釈を加えて理解(したつもり)になっています。

こうしたズレは、多かれ少なかれ常に起こっているはずなんですが、ずれている事実を大半の人は気づかない。

明らかに会話がちぐはぐになって「あれ!?なんかおかしいぞ」となるまで問題にならないだけなのです。

 

同じ記憶を共有していればうまくいく

 

普段行なっているコミュなケーションの大半は、脳が正しく穴を埋めてくれているおかげでうまくいっている場面が多い。

上司から「これよろしく!!」と資料を渡された時。
どうしたらいいのか、明確な指示がまったく抜け落ちていますが(笑)、その上司の下で長く働いている部下なら、過去の膨大な記憶と経験から、例えば「あ、データ入力だな」と想像することができますよね。

このように、自分と相手が同じ情報(考え方や知識)を共有している場合は、脳の穴埋めが作用してうまくいく場合が多いということ。
すべてを言わなくても意思疎通ができて、明確に指示されなくても融通を利かせられる柔軟性が人間の脳にはあるのです。

もともと島国で農耕民族であった日本では共有する情報量が多く、「あうんの呼吸」という言葉に代表されるように、言葉に出さなくてもある程度の意思疎通を図ることができる民族的な特徴があった、と著者はいいます。
それが、激しい時代の変化で、人々の価値観や育った環境も多様化し、共有する記憶のストック量も減ってきたーここにコミュニケーションミスが増える原因があるのだといいます。

50を過ぎた私には、思い当たる節はいくらでもあります(笑)。
職場の私以外はほぼ20代の若い人たちですから、そうしたギャップは特に感じますね。

 

コミュニケーションミスを減らすためにはどうすればいいのか?

 

コミュニケーションのミスやずれを全くゼロにすることは難しいでしょう。
でも、減らすことはできます。

それでは、その対策について本書で述べられていることのいくつかを紹介しましょう。

 

① 勘違いしようのないレベルまで具体化する

 

まず第一は、情報をできるだけ詳細に言葉にすること。
「ここまで伝えれば、相手が脳内で補完する必要がない!」というのは無理だとしても、できるだけ話を具体的にしていくことが大切です。

「この書類、早めにお願いします」と上司に言われた時、

「いつまでですか?」と相手の「早め」の基準を聞くか、「明日の夕方までで大丈夫ですか?」と自分の基準を相手に聞くかのどちらかが必要ですね。

あなたが相手に伝える側の場合は、もちろんこうした漠然とした伝え方はやめましょう(笑)。

皆さんも、自分の日頃のコミュニケーションを振り返ってみてください。

「悪くはないと思いますが…」

「ちょっと違うとは思うのですが…」

など、極めてな日本的な(笑)、あいまいな言い方をしていることに気づきますよね。
これが、お互いのコミュニケーションミスに繋がっているということをしっかりと意識しましょう。

 

② 「意識の矢印」を相手の記憶に向ける

 

「相手の話をわかったつもりになった」ときに、コミュニケーションミスが起こりやすくなります。

それを防ぐ方法は、「意識の矢印」を自分ではなくて相手に向けることだ、と著者はいいます。

先ほどの図をもう一度見てみましょう。

 

 

「昨日渋谷で友人とお酒を飲んだ」という話を聞いた時、聞き手の「意識の矢印」は自分の記憶に向いていたため、脳内で勝手にカウンターバーの映像を思い浮かべて、相手の話を理解したつもりになっていましたね。

逆に、「意識の矢印」を相手の記憶に向ける、相手が発した言葉の奥にあるその人の記憶に意識を向けるとどうなるか?

下の図を見てみましょう。

 

 

「誰と?」
「どこで?」
「いつ?」

当然わからないことが多いから、聞きますよね。
相手に質問する、相手の記憶を深く聞いていくことで、ズレがどんどん小さくなり、コミュニケーションミスが起きる危険性も少なくなっていくわけです。

自分の記憶に巻き込まれることなく、相手に「意識の矢印」を向き続けることが大切です。

いつの間にか相手を怒らせてしまうことが多い人

そんなつもりはないのに「わがままだ」と指摘されることが多い人

こういう人たちは、意識の矢印が極端に内向きになっている、と宇都出さんは指摘しています。

こうした人たちでも、相手に意識の矢印を向けるようになると、相手の気持ちがこれまで以上によくわかるようになるといいます。
「あの人の今の発言は腹が立つけど、それだけ私に期待しているということかな」と言ったような気づきもたくさん生まれるはず。

意識の矢印を相手に向ける究極のコツは、「相手のことを知らない」と思うこと、だそう。
知らないと思えば自然に相手に意識の矢印が向いて好奇心が湧いてくるでしょう。

相手の言葉に対するあなたのリアクションがガラッと変わり、相手の立場に立った発言ができるようになるでしょう。

今まですぐに感情的な反応ばかりしていた人は、「丸くなったね」と言われるかもしれませんね(笑)。

結果的に、コミュニケーションミスも減っていくでしょう。

本書では、この他にも、もう少し具体的に、明日からできるコミュニケーションミスの防止策として、

・復唱によって理解度を確認する。
・会話を共有しながらメモに残す。
・対面のコミュニケーションにこだわる。

などを挙げています。

 

明日から生かそうと思ったこと

 

 

いやはや、わかりやすかった!!
ほんとーにね、コミュニケーションミスが起きる原因については、胸にストーンと落ちました。

明日からは、いや、今からは意識して相手に意識の矢印を向けようと思います。

いくら気をつけても、ミスは起きます。
相手と顔を合わせてのコミュニケーションでさえそうなのですから、メールやLINEなど、デジタル上のコミュニケーションには時に気をつけないといけませんね。

絵文字や顔文字、スタンプを使って、微妙な感情の動きを伝えるという工夫も随分と発達しています。

でも、こうしたデジタル上のコミュニケーションでは、顔を合わせてのコミュニケーションでわかるような相手の顔色の変化や、言葉と言葉のあいだの微妙な間などのわずかな異変に気づくことができませんよね。
対面しなくても、電話でのコミュニケーションなら、声の感じなどでわかることはありますが、やはり対面のコミュニケーションには勝てません。

誤解されそうな話をする場合、相手の反応をちゃんと見たいような大切な話は、どんなに手間がかかっても、最低でも電話、できれば会って話をしないとなぁと改めて思いました。

今日は、「コミュニケーションミス」に焦点を当ててご紹介しましたが、この他の章もわかりやすい内容となっています。

本当にオススメの一冊ですよ。

 

Amazon「内容紹介」より

 

脳のメモ帳「ワーキングメモリ」が集中力のカギを握る!
ド忘れ・不注意・勘違い・誤判断を予防する仕事術

「あっ、すっかり忘れていた! 」
「おっと、うっかり見落としていた……」
「そうなんですか!? 勘違いしていました」
「なんで自分はあのときハンコを押したんだろう?」

これまであなたは仕事でどんなミスをしたことがありますか?
またはどんな失敗をしかけたことがありますか?

これらのミスが起きてしまうのは、あなたの記憶力や注意力、コミュニケーション力、あるいは判断力が、低いからではありません。

実はそもそもわれわれの脳自体がミスを起こしやすいメカニズムになっているのです。

しかもそれは、「忘れた! 」というミスに限らず、そのほかのミスも脳の「記憶」にほとんどの原因があります。あなたはそのことを知らないがために、ミスを起こしてしまっているだけなのです。

「経験が少ない、または能力が足りないからミスをするだけでは?」という指摘もあるでしょう。たしかにそれもありますが、必ずしもそうとは限らないのです。

むしろ経験が豊富、または能力があるからこそ犯しやすいミスもあります。中堅やベテランになれば自然とミスが減るわけではありません。逆に増えることもあるのです。

その脳に対して知らず知らずに(悪)影響を与えているのがあなたの記憶であるということが、最近の脳科学、認知科学の研究で急速に明らかになってきました。

こうした事実を知らないままだと、今後もミスを犯す危険があります。いくら記憶力や注意力、コミュニケーション力、判断力を鍛えようと思っても、脳のメカニズムを知らずにがんばっていたら、ほとんど効果はないのです。

少し驚かせてしまいましたが、逆に言えばあなたが脳のメカニズムを正しく理解し、それを踏まえたうえでミスが起こらないような対策を打ちさえすれば、ミスのほとんどは防げるということです。

本書は仕事のミスを以下の4つにわけ、それぞれのミスが起こるメカニズムと、ミスを防ぐ基本対策を解説していきます。

1 メモリーミス(忘れた! )
2 アテンションミス(見落とした! )
3 コミュニケーションミス(伝わっていない! 聞いていない! )
4 ジャッジメントミス(判断を間違えた! )

さらに、単にミスをなくす基本対策だけでなく、上司や同僚、取引先から「すごい! 」と言われるための応用編として、マスターへの道も用意しました。

この本は、一風変わった仕事術を紹介する本ではありません。

これまでさまざまなビジネス書で紹介されてきた王道テクニックや、上司や先輩から耳にタコができるほど指摘されてきたアドバイス。それらがいかに脳のメカニズム上、有意義なことであるかを説明し、これまで以上に納得していただいて、「理解」だけではなく「実践」してもらうことを目的としています。

さらに言えば、本書を通じて仕事のミスと向き合うことで、「本当のあなた」と向き合うきっかけになってほしいと願っています。

 

目次

 

はじめに
1章 メモリーミス
【メモリーミスが起きる原因】
1日経つと覚えたことの3割しか覚えていない……
メモリーミスの主犯格「ワーキングメモリ」
ワーキングメモリの容量は思いのほか小さい
注意(アテンション)とワーキングメモリの関係
「よし覚えた! 」は大きな錯覚
ワーキングメモリの容量はトレーニングで増やせるのか?
経験・知識を増やしてワーキングメモリを使わない工夫を
「忘れない」ではなく忘れる前提に立つ
【メモリーミスの基本対策】 新人が「メモをとる」ことを叩き込まれるわけ
メモ術を選ぶ基準は「一番、気楽にできそうなもの」
おすすめの超シンプルなメモ術
研修ではメモをすべきか、集中すべきか
「メモ」はメモだけとは限らない。「外部記憶補助」を使え
短い言葉ほどワーキングメモリは節約できる
なぜ棋士は棋譜を覚えているのか
経験を積むほど記憶は簡単になる
知識の習得には読書が効果的
大雑把で曖昧な記憶を活用せよ!
「あの書類はどこにいった?」を防ぐ方法

【メモリーマスターへの道】
メモリーマスターへの2つの道「記憶術」と「印象づけ」
記憶術の基本1「場所」を活用する
記憶術の基本2「イメージ」に変換する
記憶術の王道「場所法」
忘れやすいが重要性も高い「名前」の超簡単な覚え方
キーナンバーに絞って覚える
日本の面積は「サメに乗ったマラソンランナー」

2章 アテンションミス
【アテンションミスが起きる原因】
わずかなミスが命取り
人はちゃんと見ているようで見ていない
世界を見ているのは「眼」ではなく「脳」
ハーバード大学発の実験動画
アテンションが増えるとワーキングメモリが圧迫される
注意を向けないためにも注意が必要
「不安」や「心配」があなたの注意を奪っている

【アテンションミスの基本対策】
基本対策は「がんばらないこと」
がんばらないための万能薬
フレームワークで注意を動かせ
単純な作業に慣れると注意力は増す
クルマの運転をしながら会話できますか?
注意のムダ遣いを減らす方法
見直す癖をつける
チェックリストのススメ
注意の方向を変える
TO DOリストを作る
「すぐやる」がワーキングメモリを解放する
未完了事項を完了させる

【アテンションマスターへの道】
マルチタスクかシングルタスクか?
「ゾーン」「フロー」がアテンションマスターへの道
ゾーンに入る6つの方法
ゾーンに入る方法1ルーチンを決める
ゾーンに入る方法2集中しやすい環境に身をおく
ゾーンに入る方法3やる意義を明確にする
ゾーンに入る方法4やることを具体的に明確にする
ゾーンに入る方法5仕事の難易度を調整する
ゾーンに入る方法6似たタスクをまとめる

3章 コミュニケーションミス
【コミュニケーションミスが起きる原因】
伝えても伝わっていない・ちゃんと聞いても聞いていない
コミュニケーションはキャッチボールではない
勝手に思い出している記憶 = 潜在記憶
潜在記憶がもたらすプライミング効果とは?
記憶は箱のなかではなく、ネットワーク上にある
コミュニケーションのズレは必ず起こっている
同じ記憶を共有していればうまくいく
「苦手な相手」を作り出すのは記憶の仕業

【コミュニケーションミスの基本対策】
勘違いしようのないレベルまで具体化する
「意識の矢印」を相手の記憶に向ける
深く相手の記憶に切り込みたいならシンプルな質問を心がける
コミュニケーションミスはアテンションミス
知識・経験がある人ほど要注意!
すぐれた経営者・セールスは「意識の矢印」を相手に向けている
「意識の矢印」を相手に向ける究極のコツとは?
復唱によって理解度を確認してみる
会話を共有しながら記録に残す
対面のコミュニケーションにこだわる

【コミュニケーションマスターへの道】
「答え」より「応え」を聞く
「応え」をとらえられれば一気にコミュニケーションの幅が広がる
質問者の気配を消すぐらいに意識の矢印を相手に向け続けよう
「会話泥棒」になっていませんか?
記憶の奥深くに入り込む「高確率セールス」の手法
沈黙を埋めるな! それは重要な「応え」だ
「事柄」中心では時間のわりには話が深まらない
主語を相手に切り替える
「人」の6つの階層を意識せよ

4章 ジャッジメントミス
【ジャッジメントミスが起きる原因】
脳には2種類の思考回路が存在する
脳が勝手に答えを出す「速い思考」
じっくり考える「遅い思考」
なぜ自分の判断に後悔することがあるのか?
一つの言葉が「速い思考」の結果を左右する
感情的になると「遅い思考」の検証ができなくなる
あなたと先輩・上司の評価基準は同じではない
記憶の鮮明度も判断を誤らせる
考えれば考えるほど、間違っていく……
最大のジャッジメントミスとは?

【ジャッジメントミスの基本対策】
まずは評価基準のズレをなくす
「ホウレンソウ」が重要なわけ
「意識の矢印」がジャッジメントミスをなくす
売れるセールスはお客様の評価基準を押さえる
感情が「速い思考」を暴走させる
経験・知識がなくても冷静でいるには?
「事実」と「意見」を分けて考える
潜在記憶のワナから逃れるには?
恐怖のメカニズム「真実性の錯覚」
ジャッジメントミスのジレンマから抜け出すには?
組織として自らに突っ込みを入れる
ジャッジメントミスを認めることがジャッジメントミスを減らしていく

【ジャッジメントマスターへの道】
「速い思考」を鍛えると「直観」になる
ディープラーニングは「速い思考」の質を上げる
プロの知恵は「遅い思考」より「速い思考」に表れる
経験を積む
われわれは人工知能に勝てるのか?
未来はわからない・ニセのパターンにだまされるな!
人はすべての事象に物語を見出す
直観を鍛えつつ、断定的な予測にはまらない

おわりに

 

 

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