【レビュー】「死はこわくない」(立花隆著)文藝春秋を読んだ。

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ご存知「知の巨人」立花隆さん。
新著「死は怖くない」を読みました。

私ももう、半世紀生きてきたからね^^;。
私の平均余命はあとどれぐらいかな?とか、
この頃は親のことも含めて、「死」について考えたりすることも増えました。

知の巨人、立花さんは「死」についてどう考えているのか?
1994年、今から20年も前に臨死体験について著書を出された立花隆さんは、その後自らがんや心臓手術を体験されましたが、そうした体験も含めて現在どう考えておられるのか。

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今回出版された新著「死はこわくない」は、死に関わるインタビュー記事や講演記録、対談記録、エッセイを集めたものです。

【レビュー】「死はこわくない」(立花隆著)文藝春秋を読んだ。

 

目次

 

第一章 死はこわくない
1「死」を怖れていた若き日
失恋で自殺?
安楽死についてどう考えるか
「死後の世界」は存在するか
2ここまでわかった「死の瞬間」
心停止後も脳は動き続ける
体外離脱の謎
「神秘体験」はなぜ起こるのか
人生の目的は心の平安
3がんと心臓手術を乗り越えて
理想の死に方
延命治療はいらない
生命の大いなる環の中へ

[特別エセー] ぼくは密林の象のごとく死にたい

第二章 看護学生に語る「生と死」
人は死ぬ瞬間に何を思うか
死にゆく者へのインタビュー
厳しい看護師の現場
葛藤に次ぐ葛藤
燃え尽き症候群
難しいがん患者のケア
筑紫哲也さんの場合
余命の告知はどうすべきか
勝手に告知した、と激怒した家族
人間は死んだらゴミになる?
ナチスに殺された子どもの絵
「肉体は人間存在の外殻に過ぎない」
見えない存在との語らい
臨死体験はなぜ似ているのか
長期療養病棟の現実
尊厳死とどう向き合うか

第三章 脳についてわかったすごいこと
「意識」とは何か
脳科学「最大の謎」とは
脳はケミカルマシン
夢は思い通りに変えられる
意識を数式化できる?
心を持つ機会はできるのか
死んだときに意識はどうなるのか
東洋の世界観に近づく

あとがき

 

感想

 

「結局死ぬというのは夢の世界に入っていくのに近い体験だから、いい夢を見ようという気持ちで人間は自然に死んでいくことができるんじゃないか」(P.48)

自殺、安楽死、脳死、臨死体験研究…。長きにわたり、人の「死」とは何かをいうテーマを追い続けてきた「知の巨人」立花隆さん、75歳。
がん、心臓手術を乗り越えて到達した心境が、この言葉に凝縮されていると思いました。

立花さんは本書の中で、レイモンド・ムーディーの「かいまみた死後の世界」(評論社)にかかれている「臨死体験の構成要素」の1つである「トンネル体験」をとりあげ、

「実はトンネル体験というのは、人間が死にゆく過程で、脳の視覚機構を支えるところにある血流が滞っていき、そのため実際に視野が狭まってトンネルに入るみたいな感覚を覚える現象ではないかと思われています。」

「つまり、人間が死ぬ過程ではいろんな意識を支えている機構が、どんどん壊れていく。壊れる過程でいろんな症状が起こるわけです。ですから、臨死体験に対する私自身の考えとしては、いろいろ人間の意識を支えているメカニズムが、死ぬという過程に入った時に崩れていく、その過程で起きる現象なんだろうと思っているわけです。」

と述べており、いわゆる「臨死体験」は最新の科学によって脳内現象で説明できる立場をとっています。

今まで、死ぬと人間はどうなるのか、死の先にあるものはといったことについて科学的に解明できるまで至っていませんでした。
そのことも手伝って、「神秘的なもの」とされ、非科学的な見方やオカルトの入り込む余地がありました。

私も哲学的にはいわゆる唯物論の立場です。
この本にも紹介されている「人は死ねばゴミになる」(伊藤 栄樹著・小学館文庫)に共感します。非常にあっさりした言い方ですが。

人は死ねばゴミになる―私のがんとの闘い

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もちろんこの立場を人に押し付けるつもりはありません。
本書で立花さんも科学のとるべき立場についてこう述べています。

今回の取材で、臨死体験は神秘体験などではなく、脳が見る「夢」に近い現象であることが科学的に明らかにされつつあると感じました。しかしその一方で、これらの研究は、科学の対極にあるがごとく見える宗教的な世界を否定するものではない、というのが今回の取材で私が得た実感です。」

個人の価値観を否定するために科学があるのではないということです。番組では「科学者に言えるのは、どのようにして神秘的な感覚が生じるかだけだ。なぜそのメカニズムが起こるのかという問いへの答えは個々人の信念にゆだねるしかない」…

同感です。
科学の進歩によって、今までわからなかったことに光が当たり解明されても、結局は自分がどういう立場を取り、どう考えるかですから。

私の平均余命はあとどれぐらいなんだろう。

いずれにしても、「死」を迎える時、楽しい「夢」を見られるといいなぁ。

この本を読んで、「死」に対する考えが少し気楽なものになりました。

NHKドキュメンタリー「臨死体験 死ぬとき心はどうなるのか」も見てみたいと思います。

 

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2 件のコメント

  • 日本のあの世に対する研究は遅れているとしか言いようがありません。世界中の医師たちが今やたくさん研究をしています。

    死後の世界については肯定も否定も出来ないと思います。逆に言えば肯定も否定もできると思います

    NHKモーガン・フリーマン時空を超えて【第2回 死後の世界はあるのか?】
    https://www.youtube.com/watch?v=CbsBZguL9CM
    人間の意識について語られていて死後のの世界を肯定する仮説の量子脳理論から死後の世界を否定する統合情報理論まで紹介されどちらも決着はついてません。

    米国カロライナ大学の研究者らは、肉体の死後に入るのは天国と地獄ではなく、ある種のパラレルワールドである、と主張している。
    http://jp.sputniknews.com/life/20160320/1815709.html

    臨死体験の事例で脳は機能していないのに自分の横たわっている姿を上から見て、その病室などに誰々が来てくれた、などは脳が「機能している」のでわかったとしましょう。
    では遠く離れたところで誰々が何をしていた、と言う証言はどう説明したらよいでしょう?

    これは脳がすべてではないことを示していますね。

    有名なものでは「テニスシューズ」の話があります

    5月18日に放送された【ホンマでっか!?TV】「死後の世界は本当にあるのか!?」で脳科学者の澤口氏は、「悪魔の証明」というのがあり、死後の世界がないという事は証明できないと言ってました。

    これらの研究を見ると決してただのスピオタクやオカルティストではないと思います。日本の学会や医療現場のしがらみで、欧米に遅れをとっているのは非常に残念です

    • 通りすがり様

      コメントありがとうございます。
      また、いろんな情報を教えていただき、ありがとうございます。
      人間の認識は、限りなく真理に接近できると思います。
      通りすがりさんのおっしゃるように、しがらみにとらわれることなく日本でも研究が進んでいって欲しいですね。

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